看護師の役割と必要な心構え
ターミナルケアは死と向き合っている患者さんに寄り添いながら進めていくことが重要です。患者さんと関わる時間が長い看護師には、医療技術だけではなく看護の本質的な部分が求められています。
患者さんとの関わりについて
治療で無理に延命せず、残された時間を自分らしく過ごしながら満足できる最期を迎えるために手助けするのがターミナルケアですが、患者さんの価値観を尊重したサポート、心のケア、ご家族のサポートなど様々な役割が求められています。患者さんがどのように過ごすかはケースバイケースであることが多いため、対応の仕方に悩んでしまうかもしれません。悩んでしまった場合は、終末期医療に関するガイドラインに沿いながら、患者さんの求めるターミナルケアを進めていくように心がけるといいでしょう。
他のスタッフとの関わりについて
様々な職種がチームとなってターミナルケアを行っていきますが、各スタッフの中心的な役割を担っているのは看護師です。なぜなら、看護師は患者さんと関わる時間が長いため、治療面や生活面でどんなサポートが必要なのか、他のスタッフよりも知るチャンスが多いからです。ですが、適切なケアをするためには、単純に情報を持っているだけでは不十分です。患者さんの情報をチーム内に正確にフィードバックし共有することが大切です。
必要なのは技術よりも寄り添える力
ターミナルケアと緩和ケア、ホスピスケアの違いを正確に知っていますか。これらの違いがわかっていないと実際に働きはじめてからギャップを感じてしまい、適切なケアができなくなってしまう可能性もあるので注意しましょう。
ターミナルケアでは一般病棟のように病気が完治して元気に退院するわけではないため、高度な医療技術はあまり重要視されません。患者さんが抱えている苦痛や死に対する恐怖などの問題に比重を置き、精神科や臨床心理士と協力しながらケアしていきます。そのため、ターミナルケアの看護師には患者さんやご家族の気持ちを汲み取ったり寄り添ったりする力が求められています。
精神的な強さも求められる
残念ながら、ターミナルケアを訪れる患者さんは回復が見込めない患者さんばかりです。ほとんどの患者さんはそのまま死を迎えるため、看護師は患者さんの残された時間をご家族とともに見守っていきます。一般病棟のように「一生懸命看護した甲斐があって元気に回復した」ということがないため、看護する虚しさや徒労感、やりきれなさを感じることがあります。常に死と向き合いながら患者さんの気持ちに寄り添って看護していくため、ターミナルケアで働く看護師には患者さんを思いやる気持ちだけではなく、死を乗り越えていける強さも必要です。
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働く前に知っておきたいこと
つらい治療を続けてきた患者さんも多いため、より質の高いケアを提供するためにはある程度の経験があるベテラン看護師や病気に対して深い知識を持っている看護師が求められています。ここではターミナルケアで役に立つ認定看護師の資格も一緒に紹介していきます。
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看護師の役割と必要な心構え
ターミナルケアでは治療よりも残された時間を平穏に自分らしく過ごすことを重要視しているため、看護師には高度な医療技術よりも患者さんをよく理解し気持ちに寄り添うことが求められています。また、回復が見込めない患者さんばかりなので、看護する虚しさ、やりきれなさを感じることが多く、精神的な強さも必要です。
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まずは概要を紹介
ターミナルケアとは、死に直面した患者さんが残された時間を自分らしく過ごし、満足できる最期を迎えるための手助けをすることです。治療で無理に延命するのではなく、平穏に過ごせるように苦痛を取り除き、快適に過ごせるように患者さんの気持ちに寄り添ってケアをしていきます。
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